嗅覚障害治療(嗅覚リハビリテーション)

 嗅覚障害は主に副鼻腔炎や鼻茸、アレルギー性鼻炎によって起こり、それらへの治療を行うことで改善することも多いですが、かぜやインフルエンザの感染後や外傷後に神経性の嗅覚障害を引き起こすことも少なくないことが知られています。このような神経性嗅覚障害では鼻のなかの所見は正常であり、主にビタミン剤や漢方薬、ステロイド点鼻などによって治療が行われてきましたが、信頼性の高い研究で有効性が示された治療法はありませんでした。

 嗅覚リハビリテーションは、2009年にドイツのドレスデン大学の Hummel らによって報告された方法です。嗅覚障害の患者さんを2つのグループに分け,1つのグループは4種類の嗅素を1日2回(朝晩)、12週間にわたって匂いをかぐリハビリを行い、もう一方のグループはリハビリを行わずに治療前後で嗅覚テストを行ったところ、リハビリをした群では嗅覚スコアが有意に改善したと報告されています。(リハビリをしなかったグループでは6%の患者でしか嗅覚のスコアが改善しなかったのに対して、リハビリを行ったグループでは28%の患者で改善)特に感冒後(かぜやインフルエンザなど)の嗅覚障害に効果があり、16週間(4か月)行うことでその効果は56週間(14か月)維持されるという別の報告もあります。

最近では様々な方法での報告がありますが、当院ではHummelらの方法での指導を行っています。リハビリに使用するエッセンシャルオイルはご自身で購入して頂いてもよいですが、4種類の嗅素をセットにしたキットを作成しておりますので、希望される方には販売しております。(嗅覚リハビリキットは保険適応ではないため、自費で税込み1000円です。)

※基本的に医師の診察が必要になります。販売のみはおこなっておりません。